「睡眠負債」が日中午後・昼食後の強い眠気を引き起こす。

f:id:ramsyo:20180718221332j:plain

 

普段の生活の中で、午後になると異常に眠くなるとか、通勤電車で爆睡してしまうとか、仕事で思わぬミスをするとか、特に原因が見当たらないのに疲れやすい、ということはありませんか。

 

その原因は、もしかすると睡眠負債かもしれません、というお話。

 

睡眠負債とは?

 

「睡眠負債」という言葉は聞き慣れないかもしれません。

 

僕もつい先日、知った言葉です。

 

朝日新書「睡眠負債~ちょっと寝不足が命を縮める~(NHKスペシャル取材班)」という本によると、

 

毎日1,2時間程度のちょっとした睡眠不足が、まるで借金(負債)のようにじわじわと蓄積されていく。いま睡眠研究の分野では、こうした「蓄積した睡眠不足」のことを睡眠負債(Sleep Debt)と呼び、対策の重要性が叫ばれるようになっている。

p16

 

とのこと。

 

つまり毎日1,2時間以上の睡眠不足が続く状態のことをいいます。

 

これが、自分の脳のパフォーマンスを低下させ、仕事や家事の能率低下につながったり、認知症になりやすくなるのだといいます。

 

デメント氏は自著の中で、こう端的に述べている。

 

「睡眠負債は、少しずつ蓄積していく。八時間の睡眠が必要な人が、平日は六時間しか眠れないとすると、二時間×五日で10時間の睡眠負債を抱え込むことになる(以下略)」

 

同著p19

 

人間は、毎日6~8時間は寝る必要があります(6時間で充分か、8時間必要かは、個人差があります)。

 

ところが、自分に必要な睡眠時間よりも短い睡眠時間の日が続くと、それが徐々にたまって「睡眠負債」となってしまうのです。

 

で、睡眠負債が積もり積もると、起きていられなくなり、昼間なのに猛烈な眠気に襲われてしまうというわけです。

 

日中の眠気と睡眠負債

 

上であげた本「睡眠負債」では、日中の眠気は睡眠負債のせいであると断言しています。

 

スタンフォード大学で6時間睡眠の人たちを集めて様々な実験をしたところ、大半の人に注意力低下、強い眠気がみられたといいます(実験内容についての詳細は、本に書かれてあるためここでは省略)。

 

本当は7~8時間寝る必要のある人が、6時間しか寝てないため、毎日1~2時間ずつの睡眠負債がたまっていくのです。

 

そして、注意力が低下し、昼間に眠気を我慢できなくなるのです。

 

そういえば、僕自身も大人になってから、やたらと昼間に眠くなるようになりました(特に昼食後)。子供の頃は、昼間に眠くなることって、ほとんどありませんでしたが。

 

思えば子供のころは夜21時に寝ていました。長い時間しっかりと寝ていたのです。

 

しかし大人になったら、夜更かしになり睡眠時間が短くなりました。今は平日の睡眠時間は6時間くらいです。そういう人は多いのではないでしょうか。

 

となると、子供の頃は睡眠負債がなかったので眠くならず、大人になると睡眠負債がたまるようになり、昼間に眠くなるようになった、ということがいえそうです。

 

前の職場に「昼間、全く眠くならない」という人がいたのですが、やはり「毎日決まった時間に7時間、しっかり寝ている」と話していました。

 

大人になって昼間に眠気に襲われるようになるのは、この睡眠負債のせいである可能性があります。

 

そして、睡眠負債が貯まることで、睡眠不足の状態が続くわけですから、当然疲労感もたまっていきます。

 

最近、わけもなく疲れやすいと感じている場合、この睡眠負債のせいかもしれません。

 

睡眠負債返済方法

 

では、この「睡眠負債」はどうやって「返済」すればいいのか。

 

答えはいたってシンプル。

 

デメント氏の回答は極めて単純明快である。

 

「睡眠負債を返済する唯一の方法は、もっと眠ることです。今よりももっと眠ることです」

 

p104

 

はい、もっと眠ることです!実にシンプルです。

 

2時間の睡眠負債がある場合は、2時間多く寝ること。

 

合計6時間の睡眠負債がある場合は、合計で6時間多く寝ること、だそうです(たとえば、土日に3時間ずつ多く寝る、みたいに)。

 

これは「寝だめ」とは違いますね。不足した睡眠を取り戻すための睡眠です。

 

で、快眠を得るためにはどうすればいいかも、本書で示されています。

 

すみやかに眠るための10カ条

 

一、午前中に日の光を浴びよ

二、食事の時間は一定にせよ

三、運動は夕方に。散歩もよし

四、カフェインは寝る3時間前まで

五、酒は寝る3時間前まで

六、寝る2時間前より強い光を避けよ

七、風呂は寝る30分前に

八、寝室は18~26度に保つべし

九、布団でのスマホ・ゲームはご法度

十、寝なきゃとあせるべからず

 

p117

 

この中で、ここ数年で特に言われるようになったのが、九のスマホ・ゲームです。

 

スマホから発するブルーライトの影響で、脳が興奮状態に陥り、寝つきが悪くなることが明らかになっています。

 

これは自分の実感からも正しいです。夜、スマホもPCもやらずに過ごしていると、22~23時くらいに自然と眠くなります。

 

不眠に悩んでいる人は、試してみてください。

 

ちなみに、乳幼児の世話をしていて、夜泣きのため、どうしても睡眠不足になってしまうケースについても、言及されています。

 

その場合は、とにかく子供と一緒に寝る、という方法が一番良いそうです。とにかく、寝られるときにしっかり寝ることだということです。

 

睡眠は質だけでなく長さも大事

 

「睡眠負債」という概念が画期的だと思ったのは、「睡眠は長さも大事」ということを示した点です。

 

それまでは「睡眠は質が大事」と言われていました。で、「質が良ければ短時間睡眠で良い」という考え方が優勢でした。本屋に行けば「短時間睡眠法」みたいな本が並んでいました。

 

しかし、ほとんどの人にとって、短時間睡眠はかえって効率を下げることになってしまっていたのではないでしょうか。

 

昼間の活動の質を上げるには、睡眠負債を貯めないように、むしろ適切な長さの睡眠をしっかりとることが大事だということです。

 

僕にとって、この「睡眠負債」と言う概念は、自分の実感として、しっくり来るものでした。

 

午後になると異常に眠くなるとか、通勤電車で爆睡してしまうとか、仕事で思わぬミスをするとか、特に原因が見当たらないのに疲れやすい、という症状に心当たりがある場合は、この「睡眠負債」を疑ってみると良さそうです。

 

そして、しっかりと7時間ほど、寝てみると良いと思います。

 

それで改善するなら、そんなに簡単なことはありませんからね。