ドラマ『BORDER(ボーダー)~贖罪~』感想(ネタバレあり)

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2017年 日本

 

『BORDER』完結編

 

『BORDER 贖罪』を観ました。

 

ドラマ本編『BORDER』の続編にして完結編です。本編最終話のラストシーンから話が始まります。

  

この「贖罪」ドラマ本編から、3年のインターバルを経て製作・放映されていますが、違和感なく話に入っていけました。

 

メインキャストたちも3年前と比べて違和感なし。まったく同じキャラを演出してくれています。さすがはプロ(髪の長さが変わってる人はいましたが)。

 

少し心配だったのが「蛇足的な内容になるんじゃないだろうか」ということでした。というのも、自分的にはドラマ本編はあの終わり方でいいと思っていたからです。

 

が、観終わってみると、無用な心配でした。蛇足感もなし。納得できる内容でした。

 

 

 

 ※以下ネタバレあり※

 

 

 

突き付けられる2つの選択肢  

 

安藤との対峙の果てに、ついに「ボーダーライン」を超えてしまった石川。

 

本編クライマックスで、激しく動揺する石川の肩に安藤の手がかかり、「こちらの世界へようこそ」と語りかけられます。

 

「贖罪」ではそのシーンから話が始まります。そして石川の肩にかかった手は、実は安藤じゃなく立花の手でした、というオチつき(笑)。まあ、そういうふうしておかないとツジツマが合いませんしね。

 

その後、石川は事情聴取へと連れていかれます。現場には防犯カメラもなく、何が起こったのか知るのは石川のみ。現場で何が起こったかは、完全に石川の証言次第という状況。

 

ここで石川には2つの選択肢があります。1つは正直に話すこと。もう1つはウソの証言を行うこと。

 

正直に話せば、己の正義に従うことができる。ただし、二度と警察官として正義を成すことはできなくなる。ウソの証言を行えば、この先も正義を成して死者の魂を救い続けることができる。ただし安藤のような「悪」と完全に同類になる。究極の選択。

 

はたして石川はどっちを選択するのか。

 

本作の楽しみは、この「どっちを取るか」というギリギリ感でした。

 

ターニングポイント

 

そんな状況下にいる石川の前に、新たな死者が出現。殺人事件の被害に遭った女性です。

 

その女性から「犯人を絶対に捕まえてほしい」と懇願され、憑き物が落ちたかのように自分を取り戻す石川。

 

死者の無念を晴らすために犯人を捕まえるという、「自分にしかできないこと・自分がやるべきこと」を行うことを決意します。

 

今回、1つ目のターニングポイントになるシーンです。

 

で、犯人を捕まえるために、本編でおなじみ「裏社会メンバー」の力を今回も借ります。ハッカーコンビ(サイくん&ガーくん)に犯人の身元を特定させ、便利屋スズキの潜入技術により犯人の自宅に侵入して、女性の遺体を探します。完全に違法な捜査。ところが、そう簡単にはシッポを出さない犯人。

 

その間、店で張り込みをしているシーンで、死者の女性と語っていたら急に安藤にすり替わるところは、ホラー感たっぷりでゾクっときました。 

  

その後、死者の証言と、裏社会メンバーの力を借りることで、被害者の遺体を発見。さらに、かなり強引な方法を使って犯人を罠にはめ、逮捕にこぎつけます。

 

事件解決後、なにやら思いつめたような表情を見せる石川。便利屋スズキも石川の様子が何やらおかしいことに気付き、ボス(?)の情報屋・赤井に連絡。

 

翌日、石川は自ら監察官の元に赴き、再び取り調べを受けます。  

 

石川の選択

 

この時点では、石川は起こったことを正直に話すつもりだったんだと思います(あくまで僕の解釈ですが)。

 

ところが口を開こうとしたその瞬間、急な知らせが舞い込んで監察官が席を外します。そして情報屋・赤井から電話が入り、「その先をどうするかはお任せする」という短いメッセージを受け取ります。

 

それを聞いた石川は、裏社会メンバーたちが、自分のために何か仕掛けたことを察知します。

 

ここが今作2つ目のターニングポイントでしょう。

 

監察官が戻ってきた後の石川の証言は、事実とは違っていました。それを聞いた監察官は「たった今知らされた現場の証言と、一致する」として、石川を無罪放免とします。

 

そんな石川に対して安藤が言い放ちます。

 

改めて言います。こちらの世界へようこそ

  

そして終盤。

 

石川はシリーズ通して、初めて正直な心情を吐露します。

 

死者と交信できるようになって以来、正義を実行をしようとするあまりに、どんどんダークになっていく自分に矛盾と嫌悪を感じていたこと。

 

しかし、完全に闇の世界の住人となった今、開放感を感じていること、そしてこれからは闇の世界にいながら正義を実践していくことを、安藤に告げます。

 

安藤はそれを聞くと、かえって安堵した表情を浮かべ、石川に「あなたはまた私のような人間を引き寄せる」と忠告をし、姿を消します。

 

全体的な所感

 

この「贖罪」の面白さは、結末がどっちに転んでもおかしくない、という点にありました。

 

今までの話の流れからして、石川は「正直に話す」「ウソの証言をする」のうち、どっちの選択をしてもおかしくありませんでした。なので話がどっちに転んだとしても変じゃないし、納得できる。そんな状況でした。

 

つまり「どう転ぶか分からない」という面白さです。

 

そういう流れと状況を作り上げた脚本が素晴らしいですし、ドラマの構成として非常に質が高いと思います。

 

実際、終盤に石川が監察官の前で、どっちの選択をするのかというシーンでは、どうなるのか読めなくて緊張感が走りました。スポーツでギリギリの接戦を観てる時みたいな感覚でした。

 

ところで、ラストシーンは誰の後ろ姿なんですかね?

 

小栗旬もとい石川の体格とは違う気がします。もしかしたら第二期の製作を想定しての、伏線なのかもしれません(もしそうなら、ぜひとも伏線回収してほしいところ!)。

 

で、もし本当に続編をやるなら1~2年以内にはお願いしたいですね。あんまり間が空くと、メインキャストの人たちが年取って老けちゃうので(笑)。

 

ともあれ、この「贖罪」をもって『BORDER』シリーズはひとまず完結となります。

 

自分にとって、記憶に残る作品の一つになるであろうドラマです。

  

評価:★★★★★(5/5点)

 

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