おススメ映画【遠い空の向こうに】~ロケットに夢を託す少年たちの物語~

f:id:ramsyo:20170827225734j:plain公開:1999年 アメリカ

原題:October Sky

 

閉塞感の漂う炭鉱町に住む主人公が、「ロケットづくり」という夢中になれるものと出会い、ひたむきにロケット製作に挑戦するというストーリーです。実話がもとになっています。

 

テーマは地味ながら、脚本が素晴らしく、最後まで見入ってしまう作品です。

 

主人公のホーマー・ヒッカムを演じるのはジェイク・ギレンホール。ヒット作「デイ・アフター・トゥモロー」などに出演しています。

 

少年の人生を変えた人工衛星

 

時は1957年。

 

ホーマーは、アメリカの片田舎にある、小さな炭鉱町で生まれ育った高校生。

 

その町は、炭鉱によって支えられており、大半の人間が炭鉱で働くことで収入を得ています。

 

そのため、その町に生まれた男は皆、炭鉱夫になる未来がほぼ決定づけられています。

 

その未来から逃れる方法は、大学に進学すること。そして大学に進学するための一番近道の方法が、アメフトの特待生に選ばれて奨学金で入学することですが、ホーマーにはアメフト選手としての素質がまったくなく、その可能性は閉ざされていました。 

 

そんな冴えないホーマーがある日、運命と出会います。

 

1957年10月、ソ連の人工衛星「スプートニク」が打ち上げられ、町の上空を横切るという出来事が起こります。

 

その光景を目撃したホーマーは感動し、自分もロケットを飛ばすことを決意します。

 

まず手始めに、ロケット花火を30個詰めた模型を飛ばそうとしますが、それは家の生垣を吹き飛ばしただけでした。 

 

その後は、ロケット工学に関する本を探してみたりしますが、ホーマーが住む田舎町には、そういった専門書はどこにもありません。そんな状況を、当時のロケット工学の第一人者だったフォン・ブラウン博士に手紙を書いて、伝えてみたりもします。

 

そしてある日、物知りだけど、変人扱いされクラスで孤立していたクエンティンを仲間に加えたことで、ホーマーのロケットづくりが大きく前進します。

 

はじめはホーマーに仕方なく付き合ってた遊び仲間のロイとオデールも、ホーマーの情熱に引っ張られる形で、ロケットづくりにのめりこんでいきます。

 

そして炭鉱工場のヴィコフスキーの協力を得て、ついにロケットを飛ばすことに成功します。

 

が、そのロケットは炭鉱の敷地内に落ちて大騒ぎになります。

 

ホーマーは炭鉱の責任者である父から「もう少しで死人が出るところだぞ!この穀潰しが!」「二度と炭鉱の敷地内でこんなものを飛ばすな!」と、こっぴどく怒られます。

 

それでもロケットへの情熱が冷めやらないホーマーは、町から8マイル離れたスネークルートという場所まで行き、仲間3人とともにロケットづくりを続けます。

 

そしてある日、担任のライリー先生や高校の生徒たちが見守る中で、みごとロケットの発射実験を成功させます。

 

その次の実験では、町の新聞記者が取材に来ており、ついには4人が新聞に載ります。

 

ところが、その新聞記事のために、同じ日に起こった山火事の原因が4人の飛ばしたロケットにあると疑われ、4人は逮捕されてしまいます。

 

未成年ということですぐに釈放されたものの、父からこっぴどく叱られ、ロケットづくりをあきらめることになってしまいます。

 

さらに、悪いことは重なるもので、炭鉱で事故が起こり、ホーマーの父が大けがを負ってしまいます。

 

父が仕事に復帰するまでの間、家の収入が途絶えてしまうため、一家を路頭に迷わせるわけにはいかないと思ったホーマーは、高校を辞めて炭鉱で働く決意をします。

 

そしてホーマーは炭鉱で懸命に働きます。父が復帰してからも、学校には復学せず、

炭鉱で働き続けると宣言し、父を喜ばせます。

 

しかし、それでもロケットへの情熱を捨て去ることができない自分に気づいたホーマーは…

 

父子の葛藤

 

この映画を語るにあたって外せないのが「父との葛藤」です。

 

ホーマーの父親は、ホーマーのロケットづくりに対してまったく理解を示しません。ホーマーからロケット実験をやるから見に来てほしいと言われても、まったく関心を示さず、冷たくあしらいます。ホーマーには自分と同じ炭鉱夫になってほしいと願っているためです。

 

しかしホーマーは逆に、炭鉱夫の仕事には魅力を感じておらず、そんな父の押しつけに対して反発します。そして父から何を言われようとも、ロケットづくりに邁進します。

 

この映画の舞台は1957年。

 

アメリカでは、石炭から石油へとエネルギー源が移り変わろうとしている頃で、ホーマーの町でも、たびたび炭鉱の閉鎖が噂されていました。町は炭鉱で成り立っており、炭鉱がなくなれば町は廃れ、皆が路頭に迷うことになります。

 

そして実際に、炭鉱をリストラされ、町を去っていく人間が相次いでいたのでした。ホーマーの父は、炭鉱の現場責任者として、そんな厳しい状況の中に立たされていました。

 

自分が誇りを持っている炭鉱がなくなるかもしれない。炭鉱を守り、息子のホーマーにも炭鉱夫の仕事を継いでもらいたい。でも当の息子は炭鉱夫の仕事を否定して、ロケットづくりにうつつを抜かしている。人の気も知らずに、けしからん!

 

ホーマーの父としてはそんな気持ちだったのでしょう。ホーマーからしたら勝手な押しつけ以外のなにものでもないですが(笑)。

 

いわゆる「昔かたぎの頑固親父」な父親です。

 

でも、そんなホーマーの父ですが、その実、何度かホーマーのロケット実験を助けています。

 

ツンデレなのです

 

そして映画の最後には、父子の素晴らしいシーンが盛り込まれています。

 

ホーマーが父親に対して、ある気持ちを伝えるシーンなのですが、そのときのセリフがむちゃくちゃ粋なのです

 

ここにはあえてそのセリフを載せることはしません。そのセリフに至るまでの経緯を観ていればこそ、感動できるセリフだからです。

 

無我夢中になれば未来は拓ける

 

この映画から感じたことは、

 

無我夢中になれば未来は拓ける

 

というメッセージです。 

 

ホーマーはロケットづくりをやると決意してから、あらゆる行動を取っています。そして成功するまでに、何度ともなく失敗を繰り返しながらも、試行錯誤を重ねていきます。

 

そうやって常に行動を取り続けることによって成功を勝ち取ります。

 

この「行動にうつす」ことがいかに大事かは、

多くの人が痛感することではないでしょうか。

 

夢を持ち、努力をし、成功をつかみ取る。

そんな力強い内容の映画です。

 

 

 

 

評価:★★★★★(5/5点)